6月10日に支払資金調達のメドが立たないとして休業宣言をした(株)電永社(福岡市南区)。福岡の本社が事務所を閉鎖する一方で、大牟田支店、熊本支店は事業を継続している話が聞かれるなど、実態が判然としていなかった。この背景には、同社が長らく続けてきたいびつな組織構造の問題がある。
三人代表制を採り、まるで別会社のごとく本社、大牟田支店、熊本支店が独立採算で資金繰りを行なっていた。決算時にそれぞれの決算を持ち寄り、合算して申告するのである。この形式は、創業者の故・永井時雄氏の長男である故・永井時義氏が二代目社長に就任し、次男の日出夫氏が大牟田支店、三男の巌氏が熊本支店をそれぞれ任された時から続いてきた。
(つづく)
【緒方 克美】
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