6月23日、飯塚市に本社を置く(株)渡辺硝子建材とその関連会社である(株)筑豊第一木材市場は、福岡地裁に対して民事再生法の適用を申請し、同日、監督命令を得た。
なぜ、飯塚地区No.1のガラス建材等販売施工会社である同社が、民生法の申請にまで追い込まれたのか。本稿では、数回に渡って、その申請書類の内容を紹介したい。
I.日本カインドとの取引
飯塚市に事務所を構える渡辺硝子建材および筑豊第一木材市場は、前期決算まで、売上高、営業利益ともに順調に推移していた。
しかし、ある生コン取引に絡み、生コン代金名下に筑豊第一木材市場が(株)日本カインド(福岡市)から約9億円を騙し取られた可能性が高い、とされる。
その取引とは、筑豊第一木材市場が西城運輸(熊本市・09年3月に破産)と日本カインドとの生コン取引の間に入るというもの。すなわち、(1)本来ならば日本カインドが西城運輸から生コン代金として受けとるべき手形を、筑豊第一木材市場が一旦受け取る、(2)筑豊第一木材市場は、金融機関で手形割引により現金化する。(3)その現金を日本カインドに交付するという流れの取引である。
過去に不渡りを出した事のある日本カインドは、受取手形を金融機関で割り引いてもらえない。そのため、日本カインドから筑豊第一木材市場に対して上記方式の提案があり、08年8月からこの様な取引が行われはじめたとされる。
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