相談者 63歳男性
探偵社の方のアドバイスもあり、社員が誰もいない日曜日の夕方に調査してもらうことになりました。約2時間かけて社内くまなく調べてもらった結果、会議室の隅にあるコンセントと、営業部にあるパソコンの配線部分に盗聴器が仕掛けられていたのが判明しました。調査を依頼した時から、ある程度覚悟はしていたつもりでしたが、本当に盗聴器が仕掛けられていたとは…。やはりショックでした。
盗聴器が発見された今、次に考えることは誰が仕掛けたのか?ということです。今回の調査のことは誰にも話していませんでした。探偵社の方から、すぐに盗聴器を取り外すのは得策ではないと言われ、とりあえず数日はそのままの状態で、誰が取り付けたのかを調査してもらうことにしました。自分で調べるには何をすればよいのか検討もつきませんでしたし、特定の社員を疑って、もし違っていれば大変なことになります。ここはプロに任せることにしました。
数日後、探偵社から連絡があり、調査結果の報告を受けました。すると、驚愕の事実が判明したのです。盗聴器に関わっていたのは、当社の社員S氏でした。そのS氏は、半年前に当社を辞めてライバル会社のK社に転職していたY氏に情報を流していたのです。私ははじめS氏が関わっていたことに大変驚きましたし、信じられませんでした。S氏はとても大人しく目立つ存在でもない。真面目な彼がそんな大それた大胆なことができるとは、どうしても考えられなかったのです。
しかし、Y氏の元上司から話を聞いて納得しました。Y氏は5年ほど当社に勤めておりましたが、半年前にほかの社員との個人的な金銭トラブルが原因で退社したと聞いています。とても攻撃的で、協調性がなく、チームワークを乱す存在だったとのことでした。そんなY氏が目をつけたのが大人しいS氏だったのでしょう。恐らくS氏の弱みを握っていたのかもしれません。S氏を操って、自分に有用な情報を入手していたわけです。
S氏はほとんど全てを私に話してくれましたが、何を理由にY氏の言いなりになっていたのかは話してくれませんでした。結局、S氏は本当に申し訳なかったと退職することになりました…。
私の中で消化できない部分が多く残ることになりましたが、一生懸命努力してくれている社員のためにも、リスク危機管理を徹底していくのが私の務めであることにも気づかされました。その後は、年に一度くらいの頻度で定期的に探偵社にお世話になっています。大切な社員を疑わないためにも、頑張っている社員の努力をダメにしないためにも…。
「壁に耳あり、障子に目あり」
(了)
総合探偵社F.R.C. 鈴木教夫
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福岡県公安委員会 探偵業届出証明 第90080079号
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