NPO法人「百匠倶楽部と100万人のいきいき食卓ネットワーク」(百匠倶楽部ネット)は、6月27日(土)に2009年度総会を開催し、全国から生産者(農家)など約40名が集った。
「百匠倶楽部ネット」は、自然生態系の耕土農業に取り組む生産者を中心に流通企業などが加盟する組織。理事長の後藤清人氏は、有機農業に用いられる発酵肥料「ぼかし肥料」の発案者。40年以上前に化学肥料の消費者へのリスクを懸念して「ぼかし肥料」作りを決意、全国に多くの信奉者が存在し、その農法により多くの農家が成果をあげ始めている。
総会に先立ち、「百匠倶楽部ネット」の西日本地域の支援組織「西日本百匠倶楽部ネット」の発足式を開催。理事長・後藤清人氏(百匠倶楽部ネット理事長)、副理事長・江田弘氏((株)グリーンノート取締役)などを選任し、活発な組織づくりへ意気込みを新たにした。
総会では、実際にぼかし肥料を活用している生産者がその成果を報告。活発な情報交換が行われた。また、「ぼかし肥料」の働きを活性化させる微生物を活用したバイオ製品「ハイクリーンΣ」を製造するサンカイ化成㈱代表取締役・中川優氏による特別講演が開催された。「水耕栽培における微生物利用と今後の可能性」について、具体的な説明がなされた。ぼかし農法には空気を好む好気性の菌が有効で、効果のメカニズムとして悪玉菌の餌をなくすことで効果を発揮することなどが示され、参加者は熱心に聞き入っていた。また、エフティピーエス(株)(本社:東京都中央区)顧問・鹿間茂氏による、新しい農場管理手法「JGAP」に関する講演と「百匠倶楽部」の製品を実際に販売している青果仲卸企業(株)百匠ネット(本社:愛知県名古屋氏)の代表・伊藤有一氏や愛知県の生産者により先行している愛知県の実情報告もなされた。
農業を取り巻く環境が厳しいなかで、消費者の安全と真摯に取り組む組織が確実に広がりつつあることが浮き彫りとなった。
世界中で年間に約85億トンの農薬が生産されているという。これらから輩出されるCO2ははかり知れない。「百匠倶楽部」は、「ぼかし肥料」の活用で飛躍的にCO2輩出量を削減することが可能とし、地に足をつけた活動が注目を集める日が近づいているとしている。
なお、「百匠倶楽部」及び「西日本百匠倶楽部ネット」は、自然生態系耕土農業に賛同し取り組む生産者を募集している。
「西日本百匠倶楽部ネット」事務局
住所:福岡市南区的場2-25-5中原ビル4階(株)グリーンノート内
TEL:092-593-7181
FAX:092-593-7778
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