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東京レポート

オリックスグループの解体が強まる M&A9ヵ月で更生法申請したジョイント(2)
東京レポート
2009年6月 3日 08:00

傘下のオリックス・クレジット売却

 オリックスが資金調達の柱としてきたのが資本市場だった。だが、CDS値の上昇で資本市場からの調達が厳しくなった。ここから5兆2,000億円(09年3月期末)に達する有利子負債の削減に乗り出すことになる。
 オリックスはまず、傘下のローン会社、オリックス・クレジットの売却で活路を見い出すことにした。売却話は春先から出ていたが、オリックスが正式に公表したのは5月7日。オリックス・クレジットの発行済み株式の51%を7月までに三井住友フィナンシャルグループ(FG)に売却することで基本合意したと発表した。
 オリックス・クレジットの08年3月末の貸出残高は約3,400億円で業界中堅。利息制限法の上限金利以下の融資のため、同業他社のような過払い金(顧客が払いすぎた金利)の返還負担はないとしているが、にもかかわらずオリックス・クレジットを売却するのは、オリックスの資金繰りが悪化しているためだ。
 オリックスの資金難を決定づける報道が相次いだ。日本経済新聞は5月6日付朝刊で、「オリックスが政府・日本政策投資銀行に1,000億円規模の危機対応融資を打診」と報道。
 続いて、情報誌『FACTA』(6月号)が、オリックスの宮内義彦会長と小島一雄専務が政投銀の藤井秀人副社長に面会、「オリックス存続のために2,000億円が必要だ」として融資と出資を要請したと報じた。政府がノンバンクの株主になるなど前例がなく、政投銀は難色を示したという。オリックスはこれら報道を全面否定。『FACTA』を信用棄損で訴えるという騒ぎに発展した。

次は大京の売却か

 オリックスの急成長を支えたのは不動産部門。新興不動産会社向け融資に加え、グループ会社のオリックス不動産のマンション分譲、不動産流動化事業などである。「かんぽの宿」のオリックス不動産への一括売却の際には、出来レースとの批判が起き、日本郵政は契約を白紙還元した。
 新興不動産向け投融資は当初、小口が多かったが、マンション分譲大手の大京に出資し、傘下に収めてから大口化した。ジョイントを傘下に加えたのも、マンション分譲事業の強化の一環といえる。
 M&A戦略でグループを巨大化してきたオリックスが、ここへきてグループの再編・強化を急ぐのは、本体の資金繰りが厳しくなったため。オリックスは、とにかく有利子負債の圧縮を図り、嵐が通り過ぎるまでひたすら耐え忍ぶしかない。オリックス・クレジットの売却、ジョイントの破綻処理の次は、大京の売却だろう。

~了~


【日下 淳】

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