日本郵政の社長人事をめぐって、鳩山総務相は「続投は認めない」として閣僚辞任にまで言及、最後まで筋を通す構えである。
「かんぽの宿」の不適切な入札によるオリックスへの売却問題は、民営化後の日本郵政に対する国民の信頼を失墜させた。本来なら、日本郵政の西川善文社長は、その段階で「クビ」になってもおかしくなかった。
その後、障害者団体への郵便料金割引制度を悪用した事件にからみ、自称障害者団体の代表者や、一部上場企業であるベスト電器(福岡市)の元部長などに続き、郵便事業会社側からも逮捕者を出している。
厚労省、日本郵政、一部上場企業、全てが障害者に対する制度を食い物にしていたことになる。特に大量の不正DMを引き受け、一般利用者に対する多大な不公平を招いた日本郵政の責任は重い。西川善文・日本郵政社長はこの事件でも責任を取っていない。
鳩山総務相が西川社長の続投を認めないというのは当然のことだろう。小泉改革の象徴ともいえる日本郵政の社長だけに、自民党内の駆け引きは熾烈を極めているという。
郵政民営化は失敗だったとする声が増大するなか、鳩山総務相が信念を貫く姿に共感を抱いている国民は少なくあるまい。がんばれ鳩山総務相!
秋月