新型インフルエンザに対する遺伝子検査を拒否し、感染拡大の原因を作った福岡市の対応に批判が集まるなか、新たに市内の「私立幼稚園」に対して何の対応もしていなかったことが判明した。市民の命を軽視する吉田市政のあり方に改めて怒りの声が上がっている。
市内の私立幼稚園は119園、新型インフルエンザが広がる博多区内には12の幼稚園がある。11日午後、データマックス取材班は、私立幼稚園を担当する市こども未来局こども部地域子育て支援課に話を聞いた。
担当課長によると、今月6日に博多区・板付中学の生徒が新型に感染していることが判明した2日後の8日、福岡市私立幼稚園連盟を通じて、感染者発生についての情報を提供したとする。しかしそれ以降、市内の幼稚園に対して何の情報提供もしてこなかったという。
さらに、実態把握のための健康状態の聞き取りや調査も一切やっていないと明言した。感染が広がっている博多区内の12の幼稚園にさえ、何の対応もしていないとしている。
課長は「幼稚園の許認可権は県にあり所管が違う」と言いかけたが、「ここの担当課は何のためにあるのか」という取材班の言葉に黙り込んでしまった。
幼稚園児の健康調査についても「県がやっていると思いますが」程度の認識しかない。県と市の間で情報交換すらしていない実態からは、感染の危険にさらされたまま置き去りにされる子どもたちの姿が浮き彫りとなった。
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