政治経済評論家 副島 隆彦 氏
それから、この5月18日に民主党の代表選挙があった。我らが小沢一郎は偉いのだ。小沢一郎は、ひとりでこつこつと今の民主党を育てたのだ。そして本当に日本国民のための国民政党となり、もうすぐ政権を取ろうとしている。
小沢一郎は本当に、偉大な日本の国民政治家(民族指導者)なのである。田中角栄の魂をずっと受け継いでいる優れた政治家だ。そのことは、日本国内で本当に真面目な考えをしている人々には分かることだ。小沢一郎は、実に多くの優れた弟子たちを育ててきた。
彼らはすでに育っていて、彼らが次の時代の政権政治家となってゆくのである。小沢一郎のことを、「オヤジ」と呼んでいる、若い優秀な日本人たちだ。私たちは彼らに期待する。彼らは、アメリカの横暴に対しても、決して簡単に屈服することはない。
この18日に選出されて、新しい民主党代表(党首)になった鳩山由紀夫も偉い。鳩山を、いい加減な考えで操れる人間などいない。鳩山の顔つきが、だんだん小沢に似てきている。鳩山は、小沢一郎のことを「偉大な政治家」だとはっきりと言っている。
アメリカとしては、この3月から岡田克也を抱き込み、ワルの前原誠司を使って、マイケル・グリーンとジェラルド・カーティスが岡田克也をじわじわと脅して、「お前をアメリカの言う事をよく聞く日本の首相にしてやるから、私たちの指図に従って動け。いいか」と「因果を含ませた」のだ。
そして、この策動にアメリカは失敗した。ジョゼフ・ナイが自分の仕組んだ策略が失敗したので、日本に来ることをいやがり逃げたのだ。ということは、日本国民の賢い判断が実って、本当に政権交代が実現し、小沢一郎の念願と努力が実って日本に民主党政権がもうすぐ実現するだろう。
岡田の、党首選の公開討論での怯えたような表情が、そのことを物語っている。岡田は、無理やりアメリカに弱みを握られて苦しい思いをしていた。きっと、父親の岡田卓也がやっているイオン・グループ(旧ジャスコ)の経営にからむ弱点を、アメリカが突いたのだろう。
岡田克也は、信念を持った立派な人格の政治家であり、小沢一郎が手塩にかけて育てた「小沢学校」の一期生である。すこしぐらいのことでへこたれる人間ではない。民主党内でも、小沢一郎の直系の若い、精鋭の政治家たち(旧自由党以来の人たち)が一致団結して、以前から「小沢先生の次は岡田でいく」と決めていた人物だ。
アメリカは、そこを狙ってきた。フィリピンから帰ってきた岡田の顔つきは、どす黒いまでにやつれはて暗かった。アメリカの手先の前原誠司が、3月に岡田をフィリピンに連れ出して、そこで「岡田政権をアメリカは許すそうだから、言う事を聞こうよ」と横について、岡田をやさしく脅した。そしてそのフィリピンで、ヌーッとその場に突如現れたアメリカの高官が誰かが重要だ。
その者が東アジア担当の、アメリカの操り対策班の最高責任者だ。その人物を、私は敢えてはっきりと名指しして、ジョゼフ・ナイ・ハーヴァード大学教授だとしよう。
つい数日前までは、彼が次の日本大使(駐日アメリカ大使。アメリカ大使がそれぞれの属国の指導者に命令をしたり、首を切ったり、すげ替えたりする正式の役職なのだ。このことを案外、皆知らない)になる、ということが確実視され、毎日新聞も「夏にはナイ氏が日本に赴任する」と書いた(私の弟子が、三極委員会の会場で、ナイと朝日新聞の船橋が深刻そうに話しているのを目撃したそうだ)。
それが突然ひっくり返って、ジョゼフ・ナイは日本から逃亡した。一体、何があったのか。彼らにとっての、大きな番狂わせが起きてしまったのだ。
本当の日本の最高実力者(実質的な日本国王)である小沢一郎をさんざん痛めつけて、日本の政治警察や検察の犬たちまで動員して潰そうとしたのに、遂に小沢を潰すことができなかった。ナイはすっかり動転して、それで日本に来ることを拒絶したのだろう。私たち、ほんとうの愛国派、日本で一番しっかりした国民層が小沢を守り抜いたからだ。
この番狂わせで出てきてアメリカ大使になる、ジョン・ルースという実業家のことは誰も何も知らないが、やはりデイヴィッド・ロックフェラーの言うことをきくべく育てられた人材のひとりだろう。今から、あれこれと記事が出るだろう。
~つづく~
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