国土交通省住宅局建築指導課の言い分
Q 今回の処分はどのように決まったか。また、不適切な構造計算書だったとする根拠は?
A 法律に則って今回の処分を下した。不整合が判明した57物件のうち20件の構造計算書が、いわゆる差し替えにより一貫性がなく再現性がなかったのが理由だ。
Q 構造計算書を再計算して検証したと聞いているが、ソフトのバージョンなどで結果が異なるのではないか。
A 当然、誤差は生じるが、それでも数%程度が普通。仲盛氏の場合、再検証の結果出た数値が大きく違った構造計算があったことが問題だ。
Q それは本当に仲盛氏自身が計算した構造書か。たとえば、「偽装あり」「構造耐力不足」と判断された1物件について、仲盛氏は「福岡市が違うバージョンのソフトで計算したもの」と主張しているが。
A 検証した構造計算書はすべて仲盛氏本人のもので間違いない。
Q 構造計算書が不適切だったということだが、これまで建築された物件の安全性は保証さされているのか。
A 建物の安全性に問題はない。というより、今回は建物が安全かどうかと書類が不適切だったかどうかは別の問題として考えている。
Q 一級建築士を取り消した場合、構造設計一級建築士の扱いはどうなるのか。
A 構造設計一級建築士は一級建築士の上に成り立っており、取り消しとなる。建築士法第10条2の4号に「構造設計1級建築士証又は設備設計1級建築士証の交付を受けた1級建築士は、免許を取り消されたときは、速やかに、構造設計1級建築士証又は設備設計1級建築士証を国土交通大臣に返納しなければならない」と明記してある通りだ。
Q 仲盛氏が今回の処分が不服だとした場合、取り消しを求めることは可能か。その場合は法廷で争うことになるのか。
A それは可能だ。仲盛氏が取り消しを求めた場合は司法に判断を委ねることになる。
【大根田 康介】
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