福岡市や政界関係者の間で、ある案内状が波紋を呼んでいる。来月初旬に市内で行なわれる出版を祝う会のものなのだが、本の著者が元市教育長で、かねてから市長選挙の候補者として名前が取りざたされていた植木とみ子氏(現・福岡市総合図書館館長)だったことから、「すわ出馬宣言か」と取りざたされる事態に・・・(新著の題名は『市役所の女(おやくしょのおんな)』。
さらに、案内状に1枚の文書が添付され関係者の間に出回ったことから、出馬説はますます現実的なものとなってしまった。問題の文書(下記参照)は、「基本姿勢」から始まり、4つの大きな政策的柱を記しており、あたかも市長選に望む候補者の文書と見えないこともない。内容は現在の市長にはまねのできない立派なものである。現場を知るプロの視点であり、さすがとうなってしまう内容だ。
市政担当記者が植木氏に聞いたところ「昔、福岡市がこうなるといいなと思い、書き残したもの」とあっさり自身が作成したものであることを認めてくれたうえで、出版を祝う会は、市長選とは何の関係もなく、出馬など考えてもいないという。問題の文書が案内状とセットで出回っていることについても、全く心当たりがないとしている。
祝う会の発起人に市議会の重鎮が名前を連ねたことも噂の拡大に拍車をかけた原因のようだが、吉田市長に代わる「公約をまもる市長」の登場を願う福岡市の現状を、改めて思い知らされた。