福岡市が、こども病院人工島移転に係る起債協議のため総務省に提出した資料を、福岡市への情報公開請求で入手した。
昨年8月までに提出されたものについては、「はじめに人工島ありき」の証拠として報じていたが、今回のものはそれ以降の文書である。
10月10日、10月24日、11月25日、12月3日の計4回、新病院の収支やスケジュールなどを提出していた。
今回ご紹介するのは昨年11月24日に総務省に出された文書の内の1枚。ベッド数260床と230床についての収支表である。
市保健福祉局の新病院担当課によると、昨年10月、総務省と市側の協議で、それまで同省に提出していた新病院のベッド数を260床とした場合の収支に加え、230床の収支についても提出を求められ、11月になって230床の収支についても追加提出したとしている。
市は、あくまでも260床を新病院の適正規模として計画を進めるとしているが、ベッド数を決定する事実上の権限を持つのは福岡県である。
市は昨年12月、県に対し新病院のベッド数を260床にするよう許可を求めていた。しかし、県の諮問機関である「福岡県医療審議会(会長 横倉義武福岡県医師会長)」は今年4月30日、増床数は43床程度が望ましいとする審議結果をまとめている。市の計画より28床少ないのである。
県の最終的な判断は示されていないが、市側が希望するベッド数を確保できるかどうかは微妙な情勢。加えて、今年6月になって、市は現在の「こども病院・感染症センター」についての感染症指定医療機関の返上を一方的に公表しており、県側の不評を買っている。
協調性のない福岡市に県が配慮するとは思えない。
文書を見れば分かるように、260床と230床ではかなりの違いが生じる。さらには、PFIの事業内容も当初計画とは大きく変わることが明らかになっており、昨年11月時点の収支も、いずれは変更の必要があるものと見られている。
【市政取材班】
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