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都市高速延伸に10年!-2- 「約束違う」青果市場関係者から怒りの声
社会
2009年7月 6日 08:00

 こども病院と青果市場の人工島移転は、ともに都市高速道路延伸が実現しなければ計画推進に赤信号が点る。市側は「そんな約束はしていない」と言うだろうが、両施設ともに、その整備の前提条件が『都市高速延伸』だったことは周知の事実である。先週、都市高速延伸工事の完成までに10年と報じたところ、青果業界の関係者などから次々に真相を問う声が寄せられた。もちろん、こども病院人工島移転を危惧する市民から「10年なんてとんでもない。新病院開設から都市高速延伸までの間、救急搬送時の子どもの命はどうなる」という批判も上がっている。この点については今回の検証シリーズ後半で取り上げていくとして、これまであまり触れられることのなかった青果3市場の人工島移転決定の経過を確認しておきたい。実は、この青果市場人工島移転にも「都市高速延伸」が大きく関係していたからである。

 現在、福岡市には野菜や果物を扱う卸売市場として青果市場(博多区那珂)、西部市場(西区石丸)、東部市場(東区下原)の3か所がある。青果市場は開設から40年近く、最も新しい東部市場でも25年以上が経過しており、老朽化や機能拡大の理由から新たな整備計画が議論・検討されてきた。再整備についての議論そのものは、1999年頃から始められていたが、04年、青果市場と東部市場を統合し、現在の青果市場の場所で再整備するとする市の基本方針が打ち出された。いわゆる「現地建て替え」である。

 しかし、市長の附属機関である「福岡市中央卸売市場開設運営協議会」が『西部市場の方向性を明確にし、移転統合に向けて協議すべき』との答申を出してから事態が動き出す。05年10月、青果市場関係者らで組織された「青果部2010検討委員会」が、当時の山崎広太郎市長に『福岡市中央卸売市場の再整備場所について(要望)』とする文書を提出。事実上、青果市場の現地建て替えから別の場所への3市場統合移転を指向する要望である。この時点では移転場所について、特定の場所は記されていない。

 市長が交代した直後の06年12月には、前出の「青果部2010検討委員会(大野憲俊委員長)」が吉田宏市長に対し、『福岡市中央卸売市場青果部市場の再編・再整備について』と題する要望書を提出する。
 そこには明確に「市場再編・再整備においては、青果部3市場を統合し、新青果市場を『アイランドシティ』において整備すること」と記されている。3市場を統合し、移転先を人工島にするよう市場関係者側から市に要望した形となる。こども病院人工島移転と違い、業界の要望として人工島を選んだということだ。しかし、この文書の中には次のような一文が明記されていた。「このたびの苦渋の選択を行なった私ども青果業界の胸中をお察しいただき・・以下略・・」。
 『苦渋の選択』とはいかなる意味なのか。青果業者らに話を聞くと、人工島への統合移転が、なかば強行に決められた経過が浮かび上がってきた。

(つづく)

【市政取材班】

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