「静岡で負けるとは思わなかった」あるベテラン代議士の言葉は、自民党全体の心理のようだ。東大―厚生労働省―静岡県副知事―参院議員とエリート街道まっしぐら、2004年の参院選ではトップ当選を果たし知名度抜群だった坂本由紀子氏(60)の落選にショックを隠せない。
当選した川勝平太氏(60)は、民主、国民新、社民の推薦を受けたものの、民主党の元参院議員・海野徹氏(60)の出馬で分裂選挙。知名度不足も否めず、自民側有利とも言われていた。もちろん早大教授や静岡文化芸術大学長を務めていた川勝氏の政治手腕は未知数。それでも川勝氏が勝ったことで、自民党関係者への衝撃ははかり知れない。
「こうなってしまったら、打つ手なしだ。麻生さんが病気になるとは思えないし、総裁を変えても批判が出ない方法はないんだろうか…」。自民党代議士の苦悩は自身の選挙に直結するものだ。
「都議選で負けたら任期満了まで静かに過ごすしかないんじゃないか。その間に何かが起こるのを待つしかないだろう。麻生さん?もうあの人のことは話たくもない」。冗談とも本気とも取れる言葉が、自民党の傷の大きさを物語っている。
【春田】
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