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電気工事業界の現状を探る(2)
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2009年7月 9日 10:56

体力の有無がポイント
 受注環境が悪化するなかで今後業績を伸ばすことは非常に難しい。となると、受注不振→倒産という流れを考えることも不自然ではない。しかし、50社の財務内容を見ると、業績悪化に耐え得る健全な財務内容を持つ企業が多い。特にその良さが際立った2つの指標について説明する。
 まず、企業の基礎体力や安全性を示す自己資本比率。受注先の倒産など、予期せぬ事態が増えている今日において、特に注目される数値である。30%以上あれば安全性の高い企業と言える。同比率の50社の単純平均値は38.4%。うち50%以上の企業が11社と非常に高い。
 次に借入依存率。50社中、実に10社が無借金企業である。上位20%が無借金というのは他の建設業に従事する業界と比較しても高い水準にある。単純平均値で見ても5.8%と低く、自己資金で事足りている企業が多いと言える。
 依然として建設業界の先行きは不透明である。厳しい業界を生き残るためには、これまで体力を蓄積してきたかどうか、また単価の厳しいゼネコンからの受注を見直すなど、規模を縮小しつつも選別受注を行なっていけるかがポイントとなるだろう。
(つづく)

【楢崎 賢治】


※2007年12月期から2008年12月期の決算を対象。
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