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コダマの核心

120億円からのスタート さとうベネック
コダマの核心
2009年7月28日 16:14

<堀体制は3年で挫折>
 ピーク時には800億円を超える『九州有数のゼネコンの雄』として、松尾建設(株)とともに並び君臨していた(株)さとうベネックは、2009年6月期において、ついに完工高150億円にまで急降下した。同社は07年3月に、スポンサーとしてネクスト・キャピタル・パートナーズ㈱がついた。ここから投資ファンドの力を借りて、新たな再生のスタートを切ったのだ。同社の資本金2億5,000万円の75%は、ネクスト・キャピタル・パートナーズ投資事業有限責任組合である。再生スタートの人事では、生え抜きの堀誠氏が社長に就任した。
 ところが、07年6月期316億9,300万円あまりの完工高だったのが、237億円(08年6月期)に減り、上記の通り、09年6月期はさらなる落ち込みとなった。加えること、デベロッパーへの焦げ付きが相次いだ。康和地所、栄泉不動産、日本総合地所と連続焦げ付きの発生があった。堀前社長は「デベの仕事は中止」と叫んでいたが、後の祭りであった。ここで当然、経営責任問題が生じ、堀氏は社長を辞任した。

<最後の生え抜き人事体制>
 常務であった紫原利典氏が社長に就任し、徳森宏氏が取締役建築営業担当に就いた。今回の組織骨格は最後の生え抜き人事である。まさしく背水の陣といえる。この背水の陣で踏みとどまらなくては、企業として跡形もなくなってしまう。最大の遺産は、まだまだ熱意のある優秀な人材が残っているということだ。この『人財』を有効活用した事業構築を図った。経費に見合った事業所の配置も行なった。事業部は2事業に絞った。建築営業と土木営業と、シンプルに2つにした。営業拠点は大分、福岡、熊本、東京の4カ所に止めた。そして、事業規模を120億円の完工高に設定。そのためには50名の首切りが必要になる。最終的には156名の規模になるのである。
 ここまで身を削った事業計画では、「佐藤組時代から蓄積された底力で、容易に生き残れる」という楽観ムードが生まれるものだ。だが、紫原社長は「前途は茨の道だ」と厳しさを強調する。「あるのは32年間、お世話になった会社をどうしても存続させる使命感だけだ。必死でやるしかない」と覚悟を披露する。
 まず第一の方針として、現地主義に立ち戻ることだ。全員でネットワークを活用して、営業情報を収集することにした。必要とする契約高の3倍の情報量を確保していなければ、必ず先細りになる。日々、気持ちを引き締めて全員営業をしなければならない。第二は各営業拠点での事業自立戦略を打ち立てた。現在、東京支店が一番受注面で活況を呈している。熊本も楽しみだ。あとは福岡と大分の底上げに成功したら、光明がさすようになる。
 紫原社長は「『さとうベネックの光を絶やすな』という仲間が、これだけ残ってくれた。4事業所でそれぞれが結束して戦えば、難関を突破できると確信している。建設業界淘汰の時代に、社員全員の英智で企業再生を勝ち取っていきたい」と決意を語った。是非、社員全員参加の熱意を爆発させて、「栄光のさとうベネック」を復権していただきたい。

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