「日本カインド!?それに引っ掛かったの?無知というか、知り合いとか旧知など関係なしに、何も調べなかったのかね?」と福岡県内のある生コン業界関係者の談。6月に破綻した福岡県飯塚市の(株)渡辺硝子建材と(株)筑豊第一木材市場に絡むセメント・生コンブローカーの日本カインド(株)。
日本カインドは、1957年8月に藤島駒三氏が臼井商事㈲の商号で建材販売や金融業を目的として福岡県嘉穂郡碓井町に設立したのがルーツである。そして、(株)山本工務店を経営していた山本国秋氏が同社の代表も兼務し、切り盛りしていた。
日本カインド現代表の山本國徳氏が、2代目として同社と(株)山本工務店の代表に就任したのが80年4月である。89年2月に碓井町から福岡市博多区に本社を移転した。その年の11月に西孝司氏を代表に据えて、國徳氏は山本工務店の経営に専念し、90年12月期の山本工務店の売上高は約33億5,000万円を計上した。
だが、当時は業容拡大を目指して進出していたパチンコ店舗の建築で、建築資金の回収難や採算割れにより、91年11月に山本工務店は経営が破綻、福岡地裁飯塚支部に和議を申請した。負債総額は約15億円であった。なお、92年7月に和議が認可されたものの、実質上は休眠状態で和議債権の返済は実行されていないという。
(つづく)
【河原 清明】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら