福岡市が進める青果市場(青果市場・東部市場・西部市場)の人工島への統合移転は、人工島への都市高速道路延伸が条件だった。しかし、市場関係者と市側で組織された「新青果市場整備委員会」の今年5月18日の会議では、都市高速延伸に10年かかり、2014年の新市場開場には「間に合わない」ことを、市側が正式に認めていた。
市場団体側からは移転の是非を問うための「再投票」や、都市高速延伸までの「移転延期」の声が出たことも明記されている。その無責任さをなじる声に対し、市側は開き直りの暴言を発していた。
「自専道ができなくても、辛抱して移転してほしい」(注・本稿では『都市高速道路』という表現を使っているが、正確には『自動車専用道路(自専道)』である)。
つまり、都市高速延伸は無理だと分かったが、決まったことだから我慢して移転に協力しろというのである。青果市場関係者はこの市側の発言について、どのような感想を抱くだろうか。
市側のこの発言は、都市高延伸を人工島移転の条件にして意見集約をはかった業界団体などを裏切るものであるが、もうひとつの重要な問題を提起している。
(つづく)
【市政取材班】
<NET-IB主催>8月総選挙の先を読む「政権交代」で日本はこう変わる!
※記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら