14日、吉田宏福岡市長が来月30日に投・開票が予定される総選挙では民主党候補を応援しないことを明言した。06年の福岡市長選挙では、民主党の推薦を受けて初当選を果たしていた。
福岡市長選挙で民主党単独推薦の市長が誕生したのは吉田氏が初めてだった。同党の市長選候補公募に応じた吉田氏は複数のなかから選ばれ、当選した民主党の市長である。選挙にあたっては、候補者である吉田氏個人に700万円、吉田氏の支援団体「ふくおかFUNクラブ」には迂回分も含め2,700万円が民主党から支出されていた。合計3,400万円の支援を受けたうえ、労組や党組織を挙げた支援で市長の座を得たことになる。しかし、当選後の吉田市長と民主党の間は、日を追うごとに距離が離れていった。
第一の理由は、吉田市長の市政運営の失敗である。マニフェスト重視、無駄な公共事業を省くことを党の看板にする民主党に対し、吉田市長のやってきたことは正反対。人工島事業の推進、こども病院・青果市場の人工島移転方針などは、批判対象だった山崎前市政と何も変わっていない。市民からは「広太郎(山崎広太郎前市長)よりひどい」との厳しい批判が飛ぶ。もちろん自身のマニフェストの重要な項目は全て反故。公約違反についての反省もない。市民からは「民主党に政権を任せても、推薦した市長や市議が正反対のことをやる政党が信じられるのか?」との不信の声が上がっている。民主県連のなかでは、吉田市長への批判が公然と語られるようになっており、推薦取り消しに言及した幹部もいたと言われる。市長を支えているのは同党市議団だけである。
皮肉なことに、民主党の推薦を受けて当選した吉田市長が、正式に民主党候補の応援を否定したことには、「ありがたい」と思う衆院選候補者の方が多いのだという。こども病院人工島移転で市民の猛反発を受ける市長さんとのツーショットは絶対に避けたいところ。「応援しない」は好都合というわけである。
大阪の橋下府知事は、地方分権を叫んで首長連合による政党支持表明を模索してきた。賛否は分かれるところだろうが、「変革」への情熱には敬意を表したい。比較するのは橋下知事に失礼かもしれないが、福岡市長のやる気のなさとは対照的である。新型インフルエンザをめぐる初動のミスなど、市による不作為や隠蔽が続くなか、謝罪もしない市長では、民主党も応援を遠慮したいだろう。それにしても吉田市長は、どうして民主党の推薦を受けたのか。ご本人に聞いてみたいところだ。
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