直近の日本カインド(株)の決算書を見ると、非常にタイトな財務状況であったことがわかる。純資産が5,052万円。当時、会社設立より50年間で蓄えられた資本は、わずか7.29%と低水準の数値。短期的な支払い能力を示す当座比率は32.1%と、資金繰りが逼迫していたことがわかる。当座資産の現預金が1,252万円という、極めて少ない保有額であった。そして、同社をよく知る福岡県内の業界関係者によると、「裏書手形中心の支払いから6、7年前より自己手形を振り出し、受取手形の割引でもって資金を調達していった。銀行など金融機関からの信用度が低いため、その手法しかなかったのであろう」とコメント。
さらには、「國徳氏は大きいことを言っていたね。財閥系の商社、あるいはそのグループ会社との取り引きを挙げていたが、詳細に調べたところ、取り引きがなかったということがあったよ。さらには、大手セメント製造会社の100%出資と吹いて回って営業していたようだよ。もちろん事実とは異なる。いろいろと大きく見せて商売をしていたことはたしか」と述べた。
(つづく)
【河原 清明】
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