日本カインド(株)は、すでに08年3月に決済不調を発生させた。会社は現在も営業を続けている。同社に数回、山本社長との面談を申し込むために電話で問い合わせた。丁寧な応対である。しかし、従業員は「出かけていて、おりません」と応えるのみ。「御社従業員の皆さんは、お困りでしょう?」と当方から投げかけると、困惑した反応であった。
「渡邉社長には申し訳ないが、あの山本氏の話に乗ったこと自体悪い。昔からの友人かどうかは知らないが、本当に騙されたのかあるいは何か弱みでも握られていて、渋々取引に応じたのか?何にせよ、山本氏と関わること自体、すでに終わっている」と前回登場した福岡地区業界関係者の辛辣なコメント。このコメントに、全てが集約されているように思えてならない。
今回9億円の生コン取引を巡る手形詐欺疑惑による渡辺硝子建材と筑豊第一木材の破綻。参考までに仮に生コン単価10,000円/m3としたら90,000m3。福岡地区の1ヵ月あたりの生コン出荷量は、現況100,000m3前後。福岡地区の1ヵ月分にほぼ匹敵するほどの取引がこのご時勢どこにあるのか?各工場1ヵ月に2,000~3,000m3出荷するのが精一杯の現況。そのようなことは少し調べれば分かることである。不可解極まりない今回の破綻劇である。
(了)
【河原 清明】
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