ロッテリアが16日から全国で一斉販売している「絶妙ハンバーガー」(360円)は、まずかったら返金するという業界では珍しいキャンペーンで売り出す事で話題となっている。「商品に自信があるから」と同社の社長がテレビ各局のニュースであつく語っていたが、調べてみると条件の多さに驚く。
キャンペーンは個数限定で7月末まで、一人一回限り、半分以上の食べ残しは返金不可、アンケートに協力などと返金を求める場合は面倒なのである。“速さが命”といわれるファーストフード業態にとって、果たして購入者がいちいち返金を求めるかどうか。店内に客がまばらの時ならばともかく、周囲の目を気にする人たちが多い日本人が「まずい」と申し出る事ができるのか? これはクレームや注文を付ける人たちが少ない日本人の気質を逆手に取った手法であると思えてならない。
また、同社は最大5%ほどの返金を見込んでいるというが、そもそも今回のキャンペーンはマスコミが飛びつきそうなネタをロッテリア側が仕掛け、各社こぞって取材に来る事を想定して告知したと思われる。
実際、テレビCMが全国規模で数億円とも言われる時代にタダで紹介してもらっている。これは広告宣伝費の大幅削減につながり、結果として良い宣伝となっている。17日のお昼時、福岡市天神のビジネス街の地下にあるロッテリアには「試せよ!絶妙ハンバーガー」という暖簾が掲げられ、OLやサラリーマン、学生らが行列を成していた。テレビを見た人たちがこぞって同社の絶妙ハンバーガーを食べに行っているのだろう。しかし、同社にとっては少ない投資で富を得ていることである。まさに同社の戦略は、商品も味も仕掛けも絶妙なのである。
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