もつ鍋主体の居酒屋に業態変更し、賢明に働いた努力も相まって見事に立て直した尾中オーナーだったが、いつしか「俺の力で回復させた」というおごりに繋がっていた。気付いたのは2006年8月の「海の中道大橋飲酒運転事故」の悲劇のあとである。他の飲食店同様大幅に売上げが落ち込んだ。特に好調だった郊外店・筑紫野店の業績は大幅に落ち込んだ。売上げはピーク時の3分の1まで落ち込み、尾中氏は「破綻」を覚悟した。
その時2名の従業員に助けられたという。「無給で良いのでこのまま手伝わせて欲しい」当時23歳の下村徹さんと19歳のアルバイト床島賢俊さんだ。なぜこんな自分にそこまでしてついて来るのか。むしろ苦しい気持ちにもなった。しかし、ここでこうした従業員たちのためにも「もう一度がんばらねば」と気持ちを新たに再起を誓う。
そして見事に立ち直り、昨年通販にも進出し、わずか1年で7,000食を売り上げる。顧客の半数は県外客で、北海道から鹿児島まで広範囲にわたる。
「たぬ久」は今年10月には甘木店の出店が控えている。2011年からはFC展開開始の予定だ。当面は通販で各県365人のファンを作ることが目標である。
▼「たぬ久」ホームページ
http://www.tanu-q.com/
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