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特別取材

<IBスペシャルインタビュー> 一般社団法人 太陽経済の会 代表理事 山﨑養世氏 「アジア都市福岡の復権」(1)
特別取材
2009年7月23日 13:46

一般社団法人 太陽経済の会代表理事 山﨑養世氏
 著書『日本「復活」の最終シナリオ~「太陽経済」を主導せよ!』で、化石燃料消費を軸とした20世紀型経済の終焉と「太陽経済の世紀」の始まりを指摘した、「太陽経済の会」代表理事の山﨑養世氏。その山﨑氏に、出身地・福岡への提言と、これからの世界で生き残るために日本はどうあるべきかを伺った。

(聞き手:弊社代表 児玉 直)

<アイランドシティは「アジア都市」に>

 ―山﨑さんは福岡の将来など、さまざまな提案をされてきたそうですが。

 山﨑 アイランドシティの件はなかなか解決しませんね。あの件に関していろいろと提案しましたが進んでいないですね。

 ―提案を受け止める姿勢は全くなかったんでしょうか。

 山﨑 全くないとはいいませんが、目覚ましい進展はないですよね。このままだと、今後市民の負担となって、大変なことになりますよ。こども病院だけで済むとは思えません。

 ―アイランドシティは、中国人のほうが価値を見出していましてね、あそこに新栄住宅さんが3層の高層マンションを販売しているんですが、高級価格帯の10戸を、中国に住んでいるお金持ちが買っているんです。

 山﨑 中国には、ああいう水がきれいで、白い砂浜の海岸線があって、美味しい魚が食べられるところはありませんから魅力的なのでしょう。
 だから私は以前から、アイランドシティをアジアに展開すべきだ、アジア都市にする以外は売れないだろう、と言っています。例えば、よく見るとオフィスとショッピングと住宅が離れて不便な百道と同じものを作るのは解決策にはならないのです。
 東京の開発を見ていると、最近はそういう開発をしていません。住むところ、オフィス、エンタテインメント施設などが全部一体化していて、歩いて生活できる街にしているからみんなが集まるのです。

 ―六本木エリアにしろ、品川の東地区開発にしろそうですよね。

 山﨑 六本木ヒルズやミッドタウンがビジネスとしてに成功しているのは、人が集まって楽しめる街にしているからです。ちゃんと生活ができる街にしている。住民が歩く導線のなかで、雨の日でも雨に濡れずに済む街づくりがなされています。

 ―アイランドシティは今後どうしていけばよいと思われますか。

 山﨑 一つには、マリーナで海の魅力を前面に出すこと。もう一つは、不安定な資金調達を安定化させることです。最後にインフラ整備計画を明らかにすることです。

~つづく~

【文・構成:烏丸 哲人】

山﨑養世(やまざき・やすよ)氏
1958年生まれ。福岡市出身。東京大学経済学部卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経営学修士(MBA)取得。大和証券を経て、ゴールドマン・サックス投信社長として同社を外資系トップの投信会社に育てる。ゴールドマン・サックス本社パートナー(共同経営者)等を歴任。02年、同社を辞し、シンクタンク  養世事務所を設立。金融・財政・国際経済問題等の調査・研究、政策提言を行なう。「高速道路無料化」を02年から提唱している。著書に『次のグローバル・バブルが始まった!』『日本「復活」のシナリオ~「太陽経済」を主導せよ!』(ともに朝日新聞出版)ほか。


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