200年住宅・HABITAで新しい日本の住文化創出に挑む
8回の住み替えが必要
―三澤代表が考える理想の住生活とは。
三澤 住宅には、1つの家にずっと住むという考え方とライフスタイルに合わせて住み替えるという2通りの考え方がありますが、私は住み替えを8回してほしいと言っています。
1回目は学校卒業直後。貯金もなく、賃貸住宅に住むでしょう。2回目は結婚後、マンションに住む。ただ、マンションを買うとき、とくに気をつけなければならないのは、5年先、10年先に売れるかどうかをきちんと見極めておくことです。
3回目は結婚して子どもができたとき。庭付き一戸建てでないと子どもが健康に育ちませんから、郊外で学校まで歩いていけるところに建てるのが良いでしょう。
4回目は、子どもが大学を卒業する頃には家もだいぶ古くなっていますから、それを高く売却する。そして、お客さんがいつ来ても迎えいれられるようなゲストルームがある家に住むのが良いと思います。
5回目は人生で一番忙しいときで別荘を、6回目は定年後、収入型住宅に住めばいいと思います。7回目は3世代住宅で孫の顔を見ながら暮らす。8回目は老人ホームになります。
―ライフスタイルに合わせて、かつ利益を追求しながら住み替えるということですね。
三澤 8回は多いと思われるかもしれませんが、日本人は平均7.5回引っ越しているわけです。どうしたら財産が増えるか、日本ではそういう勉強が遅れています。
1回引っ越す度に500万円ずつ稼いで貯金すれば、それが老後に4,000万円くらいの蓄えになります。アメリカ社会はそうなっているわけです。日本も8段階のライフステージを設けて、1カ所に住みつくよりは引っ越す方が良いと思います。
日本では買った住宅を売るのはおかしいと考えてしまうかもしれませんが、本当は買うときにどうすれば高く売れるかを常に考えておくべきです。そうすると、特殊なものは建てない方がいいわけです。次の人が買いませんから。
―普通の人には、どの住宅が高く売れるか見極めるのは難しくないですか。
三澤 不動産や住宅を扱う専門家は、「ここが値上がりする」ということをある程度は知っています。でも、お客さんはそういう聞き方をしませんからね。今さえ良ければということでしょうが、少し先のことを考えてもらいたいですね。
【大根田康介】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら