29日、民主党の鳩山代表は27日に公表したはずの「マニフェスト」は「政権政策」で、正式なマニフェストではなかったと言い出した。大阪の橋下府知事らが、民主党のマニフェストに「国と地方の協議機関の設置」が盛り込まれていなかったことに猛反発。「修正版」を出すことを余儀なくされていたため、「あれは正式なものではなかった」との苦しい言い訳となったようだ。
しかし民主党は、27日に「政権交代選挙にのぞむ2009民主党マニフェスト発表会」と題して、大々的に記者会見を行っている。問題の「政権政策」の表紙には、ごくごく小さく「民主党の政権政策」と記されているが、その下には大きく「Manifesto」の文字が・・・。
それにしても、まさかいったん発表したものを、正式なマニフェストではなかった、などと言い出すとは思わなかった。政権奪取への期待がかかる民主党だが、「首長連合」に気を遣うあまり、有権者を軽く見てはいないだろうか。なにより、自ら「このマニフェストで戦う」と宣言したものを、「正式ではない」などと平気で言い出す神経はおかしい。契約書を結んでおいて、「さっきの契約書は正式ではない」と言っているに等しく、有権者との信頼関係を著しく損なうものだ。契約破棄になっても仕方があるまい。
マニフェストは、選挙中であっても、有権者の声や実態に応じて、より良いものに修正を加えられるべきものだ。鳩山代表も、最初からきちんとマニフェストについて理解し、修正もあると言っておくべきだった。「正式なものではなかった」との発言こそ修正するべきだろう。
【秋月】
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