一般的には、「民主主義」や「民主政」と和訳されていますが、直訳すれば「民衆統治」という意味になります。1912年7月30日に元号が「明治」から「大正」に変わり、感覚的には大正時代の民主政治というイメージがあります。しかし、現在でもこのあたりの定義付けの論争は続いています。
大雑把な説明としては、日露戦争終結の1905年から軍部による挙国一致体制が敷かれるまでの1932年までを指すことが多く、政党による議会政治を経て、1924年に成立した普通選挙法、男女平等や労働者の権利を求めた運動、自由教育の運動など資本主義に基づいた社会的構造の変化が見られた時期と呼べるでしょう。
ちなみに、「大正デモクラシー」という言葉自体は、戦後に歴史学者の信夫清三郎が著書のなかで提唱した造語で、それが一般に広まったとされています。現在、政治や行政など社会が混迷している時期、大正デモクラシー関連の文献を読み返してみるのもよいかもしれませんね。
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