過去最高の売上高を記録した08年3月期決算(連結)を事業ごとに見てみる。297億円の売上高の大半を占めるのが、事業の中核である不動産販売事業だ。269億円の売上高を計上し、全体の売上高に占める割合は90%に及ぶ。次いで多いのが不動産賃貸管理事業の21億円で、割合にして7%程度。ファイナンス事業、その他事業は、それぞれ2%未満の水準でしかない。利益面では不動産販売事業よりも、管理事業など他事業のほうが利益率は良いため比率は下がるが、それでも不動産販売事業が営業利益の74%を占めている。同社の収益源は圧倒的に不動産販売事業である。
今度は09年3月期決算(連結)を見てみよう。151億円の売上高のうち、不動産販売事業は118億円で率にして78%程度。他事業は全て前期を上回る業績を残しており、売上高の急落は不動産販売の低迷が原因であることは明らかだ。利益面でも、不動産販売事業は唯一の赤字事業となっており、同事業で16億円余りの営業赤字を計上している。09年期では当初、230棟の個人向けアパート販売、14棟のマンション販売(1棟売り)を計画していたが、それぞれ108棟、7棟と計画の半分に終わってしまったため、全体の売上高も半減となった。
賃貸管理戸数が1万1,000戸となり、管理事業が安定収益になりつつはあるが、主力の不動産販売事業の立て直しなくして同社の業績回復はあり得ないだろう。
【緒方 克美】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら