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「管轄」より「市民の命」優先を!(福岡市)
社会
2009年7月31日 08:00

板付小学校発熱調査票の件
 博多保健所による新型インフルエンザの遺伝子検査拒否問題について、何度となく検証記事を掲載してきた。問題点はふたつ。「新型か否か」の判断が正しかったのかどうかと、管轄についての考え方である。

 データマックス取材班は、今年5月下旬から6月上旬にかけて報告されていた板付小学校児童の新型インフルエンザ疑似症例について、同保健所が『新型ではない』と判断した根拠となる文書を情報公開請求した。29日、公開された文書は4枚。うち3枚は板付小学校から6月5日付けで博多保健所に送付された、発熱による欠席児童5名以上の報告書などこれまで紹介してきた文書である。1枚だけが初めて見る文書だった。

 今回初めて入手した文書をご覧いただきたい。『板付小学校発熱調査票の件』と記されたA4の文書には、「探知」「調査」「行政指導として」と区分され、6月5日に同小からの報告を受けてからの経過が記されている。
 それによると、4年生のクラスで5名が発熱により欠席、うち3名がA型陽性を示していることが確認されていたことが分かる。「A型3名あり。発熱者5名は海外または関西等に行っていなかった」そして「協議後、季節性のインフルエンザとして対応することにした」と続く記述からは、新型か否かの判断が「海外渡航歴」と「関西方面への移動」のふたつだけに頼ったものだったことが分かる。「総合的に判断した」とする博多保健所の判断要素は他には見当たらない。いずれにしても翌日6日からの感染拡大の事実が、同保健所の『新型ではない』との判断が間違いであったことを証明してしまっている。市民の命を守る役所としては失格、医師なら「誤診」ということになる。

 次に「管轄」の問題である。取材班は、自治体ごとに管轄が存在することを否定するつもりは全くない。問題にしているのは、患者が福岡市民であるにもかかわらず、医療機関の所在地が管轄外として遺伝子検査を拒否する姿勢である。しかも、紹介した文書やこれまでの記事からも明らかなように、博多保健所は6月5日の段階で、疑似症患者が多発しているという板付小の状況を把握している。翌6日、板付小児童らの新型インフルエンザ発生を強く疑い、遺伝子検査の要請をしてきた医療機関の意見を加味すれば、当然のことながら『新型感染』の疑いをもち、早期確認に踏み切ることが大切だったはず。それこそが感染拡大を封じ込める第一歩だからである。そこに『管轄』を持ち込むことは間違いだ。役所が守るべきは縄張りではなく、市民の命なのだということを肝に銘じてもらいたい。

 夏になっても衰えない新型インフルエンザだが、秋からはさらなる感染拡大が懸念されている。方針が変わったからといって保健所の役割を放棄することなく、市民や医療機関からの信頼を取り戻す努力を望みたい。

【市政取材班】

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