博多区在住の小学生であることが分かっていながら、春日市内の病院からの遺伝子検査要請は「管轄外」として、県の管轄である筑紫保健所へたらい回しにした博多保健所の犯罪行為は許し難いものである。しかし、この博多保健所の「市民の命より縄張り重視」の姿勢が、福岡市の基本姿勢であったことも明らかになりつつある。
同じ6月6日の別の「相談票」から、「厚生労働省の方針に従ってやっている」(市保健福祉局担当課長コメント)はずの新型インフルエンザへの対応が、実は厚労省の「通知」を無視した杜撰なものだったことが明らかとなった。
厚生労働省は今年5月22日の「通知」で、医療機関から新型インフルエンザの擬似症例が報告され遺伝子検査を要請された場合の判断基準について、海外渡航歴などに加え「職場、学校または家庭などにおけるインフルエンザ様症状の発生状況・インフルエンザ様症状を呈している者が、患者の周囲に3 名以上いる場合」との一項を加えていた。つまり、板付小のケースでは、この時点までに多くの擬似症例が報告されており、渡航歴、接触歴だけで判断することは間違いだったのである。福岡市は、「縄張り重視」以前に、「やる気」がなかったのである。
さらに6月4日の相談票からは、管轄にこだわる記述とともに、5月31日と6月3日にA型インフルエンザの患者が出たことも記されている。つまり5月下旬には感染者が発生していた可能性を否定できないということだ。
(つづく)
【市政取材班】
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