【7月12日夜に「政変」が始まる】
総選挙の前哨戦である東京都議選の大勢が判明する7月12日(投開票日)の夜から、自民党内では”麻生おろし”の突風が吹き荒れそうだ。
NHKや全国紙など、大手メディア各社の都議選事前調査は同じ傾向が出ている。民主党(現有34議席)が50議席の大台に乗る勢いで、自民党は現有48議席から30台に転落し、麻生首相が目標に掲げた「第一党」を失うのはほぼ確実な情勢。全員当選が至上命題の公明党(現有20議席)も議席を減らす可能性が高い。麻生政権の維持に必要な「最低ライン」とされる自公の過半数確保は困難な状況との見方が強い。
過去、東京都議選の結果は、直後の国政選挙にそのまま反映されてきた。本来なら大きな議席の変化が起きにくいとされる「中選挙区制」の地方選挙で、民主党への「ドミノ現象」が明らかになれば、小選挙区制の総選挙は文字通りオセロゲームのように全国で自民党の議席はひっくり返されるだろう。
「こうなれば、自公で下手に過半数近くを取って麻生首相に居座られるより、敗北がはっきりしたほうが首相に退陣の決断を迫りやすい」
自民党の派閥領袖クラスからは、都議選を首相交代のための「捨て石」にすべきだという声まであがっている。麻生政権末期というより、まさに自民党の末期である。
【麻生退陣表明に向けた包囲網が完成】
11日にサミットから帰国する麻生首相は、出発前に後見人の森喜朗・元首相ら各派から「選挙シフト」の党役員人事を止められたことで、事実上「解散権」を封じられ、《サミット花道》論による退陣のレールに乗せられたように見える。与党内では、首相が留守の間に「麻生包囲網」が敷かれた。
反麻生の中川秀直・元幹事長や武部勤・元幹事長らを中心とする若手グループは、都議選翌日の7月13日に両院議員総会を要求。党則の「総裁リコール規定」(6条)で麻生総裁を”罷免”し、総裁選前倒しに追い込む構えだが、そんな事態になれば麻生支持派が反発し、党内は大混乱に陥る。
「森さんや各派領袖たちが一番恐れているのは、総選挙前の自民党分裂。若手が強引な麻生おろしに走り、党内が四分五裂の状況になってからでは、たとえ総裁が交代しても離党者や新党結成に走る者が相次ぎ、選挙前に党は壊滅してしまう。選挙に負けた後も党の再生はできなくなる。最悪の事態を避けるには麻生さんの口から退陣表明させ、粛々と後継総裁を選ばなければならない」(森派幹部)
対立していた「麻生支持」の森氏と「反麻生」の中川氏は、首相の留守中に何度も電話で会談し、「党分裂を避けることで一致した」(中川側近)という。あとは、誰が、どうやって麻生首相に退陣を納得させるかが大問題なのだ。
【政治ジャーナリスト・武冨 薫】
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「週刊ポスト」「SAPIO」などで活躍している政治ジャーナリストの武冨薫氏が講師を務め、刻々と変化する永田町の政局を、最前線の情勢取材に基づいて解説する。
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