民主党所属の福岡市議らで構成する福岡市議会会派「民主・市民クラブ」が配布した市政報告にはさみ込まれていたアンケートはがきは、まさに噴飯もの。その内容について、さらに検証してみたい。
アンケートの問2は、「移転場所の決定について」。昨日報じたとおり、問1では病院機能について聞きながら、立地を絡めた選択肢を用意して人工島へ誘導している。そのうえで、新たにこども病院の移転地について聞いているのである。現在の医療機能を維持すべき、と考えるなら『都心より少し離れても』やむを得ない、と印象付けてから移転地についての設問になるのだ。実に姑息な手法だが、問2の選択肢もまた、言葉にならないお粗末さである。設問に対し示された三つの選択肢は次のとおり。
①アイランドシティの決定は現実的選択である
②西部地区の別の場所でもよかった
③財政負担の限度を無視しても都心部がよかった
このどうしようもない答えのなかから、どうやって選べというのだろうか。
特に③に関しては『都心部が良かった』と考える多くの市民が、絶対にこの選択肢を選べないように、わざわざ『財政負担の限度を無視しても』という虚構に基づく一文を付け加えている。都心部を選べば『財政負担の限度を無視』することになるという表現は、何を根拠にしているのだろう。考えられることは、このアンケートが、市側がこども病院人工島移転の現地建て替え費用85億5,000万円を128億3,000万円に水増し、財政負担が大きいとの虚構を作り上げた事実に同調する立場で作成されているということ。工事費水増しが虚構ではないとするなら、このアンケートを作成した市議に税金で生活する資格はない。
民主党は、「無駄な公共事業をやめさせる」と訴えてきた。しかし、所属の市議が作成したアンケートは、多くの市民が反対する巨大公共事業を推進するためのアリバイ作りでしかない。欺瞞に満ちたその内容は、ただお粗末というだけでなく、極めてたちが悪いと言うほかない。
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