6月5日に板付小学校から 博多保険所に送られた文書 (クリックで拡大) |
博多保健所による新型インフルエンザ遺伝子検査拒否の事実については、その証拠となる文書を提示し、「不作為である」ことを報じてきた。昨日、市教育委員会に対する情報公開請求によって入手した文書から、板付小学校における6月2日から5日までの発熱調査の実態が判明。同小では発熱児童が増え続け、5日の時点で18名に達していたことが確認された。それでは博多保健所はこうした状況を知らなかったのであろうか。知っていて医療機関の遺伝子検査要請を拒否し続けていたとしたら、それはまさに犯罪行為に等しいのだが、見つかった1枚の文書が真相を明らかにしてくれた。
問題の文書は、6月5日に板付小が市教委の実施依頼に基づき博多保健所に送付した、発熱児童が5名以上出たことの報告書である(参照)。開示された公文書の中に含まれていたもので、博多保健所が区内の学校からの「発熱5名以上」の報告をうけたのはこれが初めてだったという。
いずれにしても博多保健所は、5月末頃から、医療機関によるA型陽性を示すインフルエンザ発生の事実や、遺伝子検査の必要性を指摘する声が上がっていることを承知しながら、5名以上の発熱児童の報告を無視したかたちだ。新型インフル発生の重要なシグナルを同保健所が見逃したことで感染確認が遅れ、患者の拡大を招いたことになる。
次週、博多保健所の犯罪的仕事ぶりについてさらに検証する。