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「高齢者は才能ない」 恥知らず首相発言の真意
政治
2009年7月26日 10:36

 これほど平気で人間の尊厳を傷つける政治家が、総理大臣を続けていることに強い憤りを感じる。25日、かつて自らが会頭を務めた青年会議所の会合で飛び出した麻生首相の「高齢者は働くことしか才能がない」などとする一連の高齢者冒涜発言は、絶対に容認できるものではない。批判を浴びた首相は「真意が伝わっていない」「その部分だけを切り取られた」との弁明をしているが、前後の発言も含めると決してそうではないことが分かる。首相発言を検証してみたい。

 「高齢者、いわゆる65歳以上の人たちが元気。全人口の約20%が65歳以上、その65歳以上の人たちは元気に働ける。介護を必要としない人たちは実に8割を超えている」 まず、介護を必要としない人たちが8割超との発言だが、「介護崩壊」との声があがる現場を知らぬ妄言でしかない。介護保険制度の失敗は歴然としており、制度の不備や金銭的理由から、受けたくてもまともに介護を受けられない高齢者は多い。認識不足では済まされない内容だ。

 「元気な高齢者をいかに使うか、この人たちは皆さん(青年会議所のメンバー)と違って、働くことしか才能がないと思って下さい。働くということに絶対の能力がある。80過ぎて遊びを覚えても遅い。遊びを覚えるなら青年会議所の間くらいだ。そのころから訓練しておかないと、60過ぎ、80過ぎて手習いなんて遅い」
 前段よりの発言の流れからすると、介護のいらない高齢者が多い → 高齢者は青年会議所のメンバーとは違って働くことしか能がない → この労働力をどのように利用するか考えよう、ということになる。さらに、青年会議所のメンバーである30歳台から遊びを覚えることができる人間でなければ、遊んだり、趣味を見つけたりすることは無理だと言う。まさに特権階級の論理である。炭鉱主として成り上がった麻生の血ゆえの発言か、青年会議所の考え方なのか、ぜひ聞いてみたい。いずれにしても一般社会では受け入れられまい。
 「国民を死ぬまで酷使し、税金を搾り取るためには、高齢者に60の手習いなどムダ」。首相はそう考えているとしか思えない。でなければ、高齢者を労働力として利用しようという話に、遊びや手習いのことを持ち出す必要はない。自分たちだけは、若いころから遊びや趣味を覚えることができる人種だったから、高齢になっても悠々自適が許されるが、それ以外はダメだと言いたいらしい。
 多くの高齢者が、自己のためだけでなく、家族や地域社会を守るため、懸命に生きてきた。趣味や遊びには目もくれず、立派に子どもを育て上げ、社会を支え、静かに逝った人は数え切れまい。そうした先人たちの努力の上に現代社会は成り立っているのだ。
 麻生発言は、まじめに生きる全ての日本人に対する侮辱でしかない。こんなバカを総理大臣にした自民党は、潔く責任をとって、選挙前に下野すべきだろう。

 「働ける才能を使ってその人たちが働けるようになれば納税者になる。税金を受け取る方ではなく、納税者になる。行って来い。日本の社会保障は、全く変わったものになる。どうしてそういう発想にならないのか。明るい高齢化社会、活力ある高齢化社会、これが日本の目指す方向だ。もし、高齢化社会の創造に日本が成功したら、世界中、日本を見習う」
 つまり、年金もらったら、その分働いて税金を払えということ。「搾取」という言葉があるが、総理大臣が炭鉱の親方なみの思考回路しか持ち合わせていないということだ。これでは国民=納税者は救われない。もちろん、世界の物笑いにはなっても、見習う国など皆無である。
 高齢者の労苦に報いるということは、働きたいと思う人、ゆっくり余生を送りたいと願う人、それぞれに応えることのできる社会環境を整備するということだ。それが政治家の使命でもある。発言の真意を探れば、麻生太郎は、総理大臣としても政治家としても失格だったという結論しか見えてこない。人間としての見識も疑わざるを得ないが・・・。

【頭山 隆】


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