福岡県は歯科医が多すぎると言われている。そもそも福岡には九大をはじめ、九州歯科大、福岡歯科大などの名立たる有名校があり、多数の卒業生を輩出する地域である。卒業生の多い地域だから歯科開業医が多いとは一概に言えないものの、人口約144万人の福岡市には1,172件の歯科医が登録されている(iタウンページの情報による)。約1,228人に1件の割合で歯科医がある計算となる。また、人口約98万人の北九州市は734件で約1,335人に1件の割合であることを考えれば、福岡市はいかに歯科医が多いことがわかる。
しかし、冷静に考えると、こんなに歯科医があふれていて商売が成り立つのだろうかと、疑問に感じるところではある。そのようななか、福岡市の某歯科医院では広告代理店への支払いが滞る事態が発生している。フリーペーパーやタウン情報誌などを見ると、保険が適用されないインプラントなどの高額商品を宣伝している歯科医の広告がよく目につく。だが、競合が激化すればするほど患者の獲得が困難となり、結果、広告費が払えなくなるのは必然である。経営が成り立たず、淘汰される歯科医が増え続ければ、逆に歯科医不足になることも想定される。そうなると大変困るのだが…。
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