<外国人観光客の激減>
その後、06年度からスタートした中期経営計画のもと、各種アミューズメント施設オープンなどで観光客数を伸ばしてきた。07年度までに、入場者数18万人増、宿泊者数11万人増、売上高18億円増と順調に経営改善していた。その結果、04年度の営業赤字額に対して、07年度はその赤字幅を約4分の1にまで縮小できたようだ。
しかし、08年度に入ると景気悪化の影響を受け、販売管理費を前年比約10億円削減し、年度下期の自己都合退職者の追加補充を見送るなどした。その一方で、新施設「ボタニカルガーデン」を整備するなど、集客・滞在への魅力向上に努めた。野村PFからは、09年3月時点でスポンサー契約の出資額110億円に加え、05年度以降に140億円の計250億円もの出資を受けていた。赤字幅は徐々に縮小され、単年度黒字まであと一息だった。
しかし、経済的状況が悪化するなか、国内外の観光客が大幅に減少していった。ハウステンボスの来場客層は中国や台湾、そして韓国など海外からの観光客が約20%を占めていた。とくに昨年来のウォン安の影響で、海外客の70%近くを占めていた韓国からの観光客が激減したといわれている。
こうしたこともあり、08年度の入場者数は187万人、売上高も154億円(前年比30億円減)で、3年ぶりの減少となった。
09年2月には、1日付で執行役員を12人から7人に削減。また、企画本部を設けて企画業務の一元化による企画力向上、アクティビティセンター新設による長期滞在客の獲得を目指すなど、組織改編にも着手した。
また20日付で、園内宿泊施設であるホテルデンハーグ(228室)の7月からの休館やミュージアム施設の閉鎖、直営店の統廃合、パートやアルバイトを中心とした250人の大量解雇など、経営効率化のための緊急施策を実施。月末までに場内の飲食・物販直営66店を36店に統廃合した。
さらに、6月1日付で再度の組織改編を行なった。現在の厳しい経済環境下における効率的な組織体制の確立と、さらなる顧客サービスの充実を目指した運営体制の整備が目的だ。
まず、業務効率の向上のために施設調達本部機能を管理本部に一元化し、6本部31部2経営直轄部署体制から5本部33部1経営直轄部署体制へ変更。 ほかに、食におけるサービス向上を目指して、パーク・レストランとホテル・レストランのサービス部門を統合するなどした。
【大根田康介・烏丸 哲人】
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