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会社更生計画認定から6年余 混迷続けるハウステンボスの行方(4)
特別取材
2009年8月 3日 08:00

<足並みそろわぬ地元>

 ここまで、ハウステンボスの17年の歴史と最近の施策について述べてきた。たしかに経営環境が厳しいことは間違いないが、それでも07年度までは入場者数も売上高も順調に伸びていた。
 ゆえに、今回の支援要請を「野村PFの無策の結果」と断じるのは早急だろう。たしかに、野村PFと現場との間には「暗くて深い溝があったようだ」と見る関係者もいる。野村PFの施策に対して現場との折り合いがつかず、ついには退職の決心をした社員も少なからずいたようだ。
 しかし、そのことと入場者数減少の問題とは一線を画す。やはり、その間には佐世保市の観光産業自体が抱える構造的問題があるように思われる。
 今年2月16日、佐世保市はハウステンボスに約4,500万円を公的支援する一般会計補正予算案を同19日の2月臨時市議会に提出した。会社更生法適用を申請した03年に、緊急観光キャンペーン事業として約5,300万円を支出したとき以来6年ぶりだ。
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 ハウステンボスへの観光客は佐世保市のなかで最も大きなウエイトを占めており、同市の観光動向を大きく左右する。ちなみに、07年度の佐世保市観光統計では、観光客497万人のうち約45%の221万人がハウステンボスを訪れており、その存在は同市を訪れる大きな要因となっている。
 こうしたこともあり、同市はこれまでハウステンボスに対して約68億円の公的支援を行なってきたが、これも度重なる支援策が奏功しなかったことの証左であろう。
 08年度の佐世保市観光客数は外国人観光客が前年比17.8%減となるなど、世界的な景気後退や円高の影響が直撃した格好となった。とくに、ハウステンボスが主力顧客としていた韓国が前年比17.2%減、台湾が同23.1%減、中国にいたっては39.8%減となるなど、非常に厳しい結果となった。09年度も減少傾向が続いており、4月は前年比40.5%減となっている。
 また、今回の報道にしても、弊社の取材に対して、地元企業や関係者からは「新聞報道を見て初めて知った」、「何も聞かされていなくてただ驚くばかり」との声が大半を占めた。ハウステンボス関係者も、夏休みを控えたタイミングでのネガティブな情報の露出に困惑を隠しきれないでいた。
 野村PFの支援要請については、佐世保市側も説明を受けていたとされており、地元の一大観光スポットであるハウステンボスへの「支援」や「再建」への足並みがそろっているとは言い難い。

~つづく~

【大根田康介・烏丸 哲人】

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