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特別取材

(株)福岡中央銀行頭取 末松修 氏(3)
特別取材
2009年8月 3日 08:00

福岡県の中小企業専門金融機関としての
使命と役割を果たし、共に発展を遂げる

<株主・取引先・従業員をバランスよく大切にする>

 ―このところ、都市銀行は地方での融資に積極的ではありません。その意味では、福岡中央銀行のチャンスだと思います。そういった状況を踏またうえでの御社の役割とは、どんなものでしょうか。

 末松 私どもの銀行は、福岡県内の中小企業がお客さんですから、そこに注力するしかないわけです。現実に90%以上のお取引先が中小企業で占められています。昨年の11月から今年3月まで実施しておりました緊急保証融資で、約365億円をご融資しました。これは年間融資額の1割強にものぼる数字で、中小企業の方々のお役に立てたのではないかと思います。私どもの経営理念は、福岡県内の中小企業の専門金融機関としての使命と役割に徹し、地域社会と共に発展していく。これこそが当行の生きる道だと考えています。

 ―この4月より田中前頭取の後を受けて就任されました。その1年目の抱負をお聞かせください。

 末松 現在の田中会長から受け継いだのが実体経済がどん底の時期だっただけに、ハッキリいって緊張しています。緊張したところでどうなるものでもないですが、お客さんからも「あんた、悪い時に引き継いだもんやね」と言われます。しかし、逆にこれ以上業績が悪くなれば、それこそ大変ですから、緊張と同時に責任の重さを感じています。
 私どものステークホルダーは、株主・取引先・従業員の3者です。この3つをバランスよく大事していかなくてはなりません。株主に対しては、業容を拡大しながら業績を上げていくこと。取引先に対しては、適切な商品を売り込んで喜んでいただく。従業員には然るべき利益を上げ、その報酬を払っていく。いつの時代でも、どの企業でも同じことですが、これが経営団の仕事です。
福岡中央銀行g それと、先達が築いてきた伝統。入行してから、こちらの先輩方によいお話をたくさん聞いてきました。また、時々古くからの顧客先でご年配のオーナーからうかがうのが、「“正金”さんに昭和27年に50万円を貸してもらったから、今のウチがある。だから、息子の代になっても浮気せずにメイン(バンク)は変えんよ」とのありがたい言葉です。平成元年2月に現在の名称に変更し、それ以前の名称が「正金相互銀行」でしたから、未だにそう呼ばれる年配の方は多いですね。私は当行の生え抜きではありませんから、「なぜだろう」
と改めて歴史を調べてみました。
 昭和26年の6月5日、当時の第一殖産無尽(株)と西部殖産無尽(株)が合併して正金殖産無尽㈱となりました。そして翌年の5月30日、正金相互銀行となったのです。ご年配の経営者の方々が若いころに起業した時期と、当行の歴史がちょうど重なっているわけです。当時、20代の若い起業家への融資は厳しいものがありました。当行も立ち上げたばかりの新しい銀行ですし、当然融資先を確保しなければ商売になりませんから、そういった起業家への融資を積極的に行ないました。しかし先達のえらいところは、手当たり次第に融資するのではなく、しっかりと『人』を見て貸し出したことで、今では立派な企業に成長されたオーナーが数多くいらっしゃいます。だから、そういった方々は当行の熱烈なファンであり、固い絆で結ばれているわけです。こういった既存の顧客を大事にし、それを基盤として新規を増やしていくこと、一人でも多くの『ファン』をつくるのが基本戦略ですね。そうやって多くの銀行と競い、生き残っていくしかないと思います。

~つづく~

【文・構成:八戸 智幸】

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