福岡県の中小企業専門金融機関としての
使命と役割を果たし、共に発展を遂げる
<人としての魅力を磨き、NoではなくYesから入る>
―メガバンク、メガ地銀がひしめく激戦地の福岡では、自然と行員一人ひとりが打たれ強くなっていくのですね。
末松 ある意味、営業は一騎打ちと考えています。支店長は支店長の、役員は役員の戦いに勝っていかなくていけません。それはライバル銀行だけではなく、内部でも同じだと思います。最終的には、人と人との戦いですね。正直、どの銀行も商品に大差はありません。だから『人』なんです。いかにお客さんに好かれるか。好かれるためには、まずお客さんの話をよく聞くこと。話もよく聞かず、融資を断ってはいけないんです。Noから入るのではなく、Yesから入り、話し合いながら条件をクリアしていく。そして、担当は上司を説得し、上司は審査を説得していく。そういった前向きな過程を持たなくていけないのではないでしょうか。それでも、結果的に融資できないこともあります。しかし、それまでの過程をお客さんが知っていれば立腹されることはないし、必ず次につながります。私は水際で断るのが一番嫌いなんです。今、支店長会議でも、そのことを徹底させているところです。最初から断るのは簡単だが、それはお客さんを逃がしていることになる。もしかすると、そのなかには将来有望なお客さんがいらっしゃるかもしれないのです。
―手間を惜しむかどうか、仕事に対する考え方の問題ですね。ちなみに、これから力を入れていくエリアとしては、やはり福岡地区になるのでしょうか。
末松 やはりパイが大きいのは福岡ですから、そうなります。福岡県内41拠点のうち、福岡市内および近郊に26拠点もあります。北九州や筑豊、筑後でも頑張らなくてはいけませんが、市場の大きさや効率を考えても、福岡での営業活動が当行の基幹であり、ここで頑張るのが第一義となります。
頭取就任前に各企業を回った際、経費節減の一部始終も垣間見えました。そんな時期だからこそ、私どもは「フェイスtoフェイス」、「ハートtoハート」の精神で、地元の中小企業のお役に立ち、地域全体を繁栄させたいと願っています。
【文・構成:八戸 智幸】
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