<鹿児島の名門・岩崎産業3代目 日本を憂う>
岩崎産業といえば鹿児島県の名門企業だ。交通・観光を軸に多業種を束ねたマンモス企業である。一時はグループ従業員総数5,000人を誇っていたが、金融機関の指導で3,000人に減らされた。とはいえ、3,000人を雇用する企業グループは地元ではそうない。また、創業者と2代目は鹿児島商工会議所会頭を永く務め、地域貢献に奮闘してきた。いわば地元のドンの役割を果たしてきたのだ。
その名門・岩崎産業の3代目である代表取締役社長岩崎芳太郎氏が、「地方を殺すのは誰か」(PHP研究所)というセンセーショナルな見出しの本を発刊した。鹿児島は明治維新以降、知らぬ間に保守の牙城となった。牽引車であったのは地元の経済界である。そのリーダー格であるはずの岩崎産業の3代目がなぜ、あえて批判を覚悟してこの本の出版を決断したのか!!
<このままでは国家に抹殺される>
本の帯には恐ろしい社会変革用語が連発されている。「立ち上がれ、圧制に苦しむ地方の経営者よ!」に始まって、「このままでは国家に抹殺される!」と続く。『中央集権官僚体制、金融検査マニュアル、民営化、規制緩和、不正な競争…』、負け組のレッテルを貼られた地方の企業は、座して死を待つのみなのか?既存体制と闘う気骨の経営者が語る、地方の繁栄なくして日本に未来なし!」と紹介されている。
本の構成は下記の通りだ。
(1)日本はいまだに「律令制国家」である
(2)「三権分立」のシステムは欠陥だらけ
(3)役所は副業の拡大に血道をあげている
(4)なぜ地方のバス事業は赤字だらけなのか
(5)規制緩和が日本の公共サービスを破壊した
(6)前鹿児島県知事の職権乱用疑惑
(7)地方企業がつぶれたら日本はつぶれる
まさしく、日本社会の抜本的変革をすすめる警告書になっている。岩崎芳太郎社長は「政治家たちが高級官僚たちを使いこなせなくなったところから問題が大きくなった。いまや日本は中央集権官僚体制に覆われるようになったのだ。この組織の最悪の癌は役人たちの顔が見えないこと、責任を取らないことだ」と分析して、次のような世直しの提案をする。江戸時代の幕藩体制においては、各地方の藩が独自の経済圏を運営していた。各地方はそれぞれに豊かな自己完結の地域経済を賄ってきた。翻ってみると、現代の東京一極集中型の国家経営は破綻している。対策としては、各ブロックでの『地方の自力』を蘇生するしかない。だからこそ今、道州制の導入が問われているのだ」と説く。この主張はとてもじゃないが、今の自民党では実現する能力はない。地方の名門の経済人・岩崎芳太郎氏ですら、「閉塞状態の社会の世直し」を強調されているのだ。
今回、この岩崎芳太郎氏の著書を、先着10名の方々に進呈。下記のリンクより、住所と氏名をご記入のうえ、今回のご感想・ご意見も沿えて、ご応募ください。
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