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特別取材

「味千」ブランド再構築で国内事業を巻き返し(4)~重光産業~
特別取材
2009年8月 6日 08:00

餃子無料券はお客を来店させる動機づけ

7月1日より販売開始した「つけ麺」では、餃子無料券により15%がリピーターに
 ただ現在、外食産業全体に逆風が吹いているのは事実。これをかわすには、お客に「食べに行こう」という動機づけを持たせる販促策も必要である。そのあたりをうまくついたのが、この7月から始めた「つけ麺」と連動させた「餃子無料券プレゼント」のキャンペーン。「暑いから今日はスープのない麺にしよう」、「メディアで話題だから、一度食べてみよう」というラーメンファンの心理と、消費者の節約志向をうまくついた作戦だ。
 「無料券利用は普通なら3~5%くらいだが、餃子無料券は15%前後も利用されている。かつては使うのをためらっていた男性も、今は平気で使用する。それだけお客さんが賢くなったということ。リピーターづくりでは、今後もいろいろ考えていきたい」と重光社長は無料券に手応えを感じた様子だ。
自社工場で食材を生産するため、販促にも活用しやすい
 一方、通年キャンペーンとしては、毎月22日を「お客様感謝デー」と銘打ち、定番ラーメンを300円で販売。既存店では通常の3倍を集客する。こちらは主に味千ラーメンのネームバリューのアップと、新規客の掘り起こし が狙い。人の多さで、むしろ常連客の方が敬遠するという。そんな理由で、「お客様感謝デー」は新規客に味千のラーメンを気に入ってもらい、22日までに2~3回来店してもらえばいいくらいの位置づけのようだ。まずは、一人ひとりじっくりと味千ファンを増やす狙いのようだが、新規店舗のリピーター獲得のほうで有効な手段かもしれない。
 重光社長はこれら以外にも、「定番のセットメニューがプラス250円のところを、今ならプラス100円でいろんなセットが楽しめます」などの販促キャンペーンも考えられるという。新規店舗でもこうした販促策を活用しながら、味千ブランドの浸透につなげていく考えのようだ。

店長が考えて実行 権限委譲で人材を育成

 直営店展開は、優秀な店長をいかに育成し、新店に送り込めるかにかかっている。店長の役割は、重光社長が考えるリ・ブランド化を理解し、その表現舞台である店舗を最高のレベルに持っていけるかだ。
 たとえば、売り上げを上げるには、まず最初に店長自らが成長し、そしてサブやスタッフを育て、店として最高の集団をつくることから始まる。重光社長はこうした人材育成について、「本部からのトップダウンというより現場主義に徹し、店長が店舗で次期店長を育てる自主性型」という。重光産業では各部署に責任者はいるが、それほど細かな役職は置いていない。だから、現場ではすべて店長に権限が委ねられ、店長自らが考えて行動しなければならない。
 「店長から売り上げが伸び悩んでいるとの相談を受けたとき、本部サイドは『何かやらないといけないね』としか応えず、店長に対策を考えさせる。そこで店長が『こういうことをやってみたい』と提案してくれば、『よし、やってみろ』とゴーサインを出す」と重光社長は、権限委譲を店長の実行力につなげるとしている。
 店長には仕事を通して果たす使命、いわゆるミッションがある。 次に、店長はそれを実現していくビジョンをスタッフ全員で共有し、具体的な実行項目を決めなければならない。
 たとえば、「売り上げトップの店を作る」がミッションなら、「全員が笑顔で元気で、お客をリピーター化する」がビジョンで、接客サービスやクレンリネスなどの行動目標に沿って実践していくという具合だ。すでに各店舗ではそれぞれ目標設定ができており、新店の店長には「ぜひ、うちのサブを送りたい」と店長が口々に申し出るなど、切磋琢磨しているとか。
 重光社長も「自分で店を経営したければ、独立は拒まない。むしろ、自分で店を買い取れと言っている」と社員の経営観の醸成が企業力の向上につながると信じて疑わない。

~つづく~

【剱 英雄】

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