政権交代をかけた選挙戦もいよいよ最終日を迎えた。熾烈な戦いを繰り広げてきた各陣営は追い込みに懸命だ。
選挙は最後の3日間で決まると言われるほどこの時期の踏ん張りが重要なのだが、案の定「土下座戦術」が増えはじめた。
「助けてください」「お願いします」こうした言葉や「土下座」は、候補者自身の当選のために一票を下さいと言っていることになる。しかし、国会議員の議席は政治家個人のためにあるのではない。
選挙は、国や地域の未来を決めるために行われる。選択の基準は政策や候補者の人柄であり、それらを見極めたうえで、私たちの暮らしや子ども達の世代のために、どの候補者あるいは政党が適任かを判断する。いわば、有権者や次世代の未来を決めるための一票であり、候補者のための一票では決してない。
選挙が始まる時期には「最後まで政策を訴え続ける」と言っていた候補者が、終盤になって泣き落としや土下座をする姿を何十回と見てきた。有権者も情にほだされ、「かわいそう」とばかりについ投票してしまう。その繰り返しが日本の政治をだめにした。
政権交代をかけた選挙であるなら、最後まで歯を食いしばってマニフェストの内容や自身の政治信条を訴えろ、と言いたい。
土下座は人のためにするもので、自分のためにするものではない。
【頭山】
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