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上場企業を斬る

シノケングループ 研究(15)~内在するリスクと矛盾―その5
上場企業を斬る
2009年8月12日 11:11

 今回まで15回にわたってシノケングループの研究を試みた。同社は、富裕層ではなくサラリーマンや公務員をターゲットにした木造アパート販売で基盤を築き、上場まで果たした。ファンドブームとも言うべき不動産市場の活況にも支えられ、賃貸マンションの1棟売り、投資型マンションの販売で業績を伸ばしたが、「偽装事件」で躓いた。MSCBの発行もあって株価は下落スパイラルに陥り、さらに「サブプライムローン」「リーマン・ショック」が追い討ちをかけた。財務内容の毀損が進み、株式の時価総額はピーク時の30分の1という水準にまで低下。NISバリューアップ・ファンド2号投資事業組合への第三者割当増資による、実質的な支配権の移動へと繋がっていく。篠原社長が実質的なオーナーとしての立場を失ったことは、同社にとって一つの時代が終焉したことを意味していると言えるだろう。
 同社のビジネスモデルは、不動産価格が上昇局面にないと成立しにくいものだ。これは他の不動産業者にも当てはまる。同社の場合は、富裕層がターゲットではないため、その傾向がより顕著に現れる。年収500万円の層が10倍以上のローンを組むことは、大きなリスクを伴うものだ。ただ、その是非は別にしても、不動産市況が悪化すれば融資そのものが厳しくなることで、ビジネスモデルが瓦解していくことは明らかだ。
 第三者割当増資によりファンドが筆頭株主となったことで、同社は新たな展開を迎えるだろう。今後の動向については、取材を進めながら改めて報告することにしたい。

~了~

【緒方 克美】


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