1、行き先がない
銀行OBたちは転職先が少なく、深刻な悩みを抱えている。最近の退職者たちは「時間潰し就職」でなく、「生活不安のための切実な就職」である。この深刻な事態を打開すべく弊社の『I・Bクラブ』では、銀行OBたちの相談を受けている。企業からの問い合わせはあるようだが、その数は僅少だ。ある会社の面談にも1名採用に10名の応募があったと聞く。現役のバンカーたちもしっかりとしたスキルを習得していないと、第2のビジネス人生も暗いものになる。
2、現役常務たちは自分のことばかり(顧問先確保に躍起)
ある銀行の人事部に立ち寄った。「いやー、OBたちの就職先を探すのは至難の業です。最初の転職先は責任をもって紹介するように努力しますが、第二の転職の要望に応じることは不可能です。ぜひ、ご縁のありそうな会社があったら教えてください」と頭を下げられた。話すなかに本音がチラリ。「現役の常務たちが、もう少し同僚たちのことを考えて再就職先の斡旋をしてくれたら良いのだが…。いずれ退職することを考えて、自分の顧問先の開拓ばかりにうつつを抜かしている」と批判の声がこっそりと上がる。
3、65歳で幕引き
55歳で銀行を離れるOBたちは、2、3回は転職する。政府系の不動産組織に再々就職したOBの月給は、わずか20万円。愚痴を語りながら、体よく務める。よほどの経済的な窮迫感がない限り、大半の人たちは65歳で妥協し、年金生活に甘んじるようになる。
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