長年不動産業界に携わる仲介業者A氏は、保証人のいない高齢者の入居相談件が増加していることに頭を悩ませている。「雇用の機会がなく収入源に乏しい人々は、家賃保証会社からも敬遠される」というのだ。
A氏は今のところどうにかして遠縁の親戚などを見つけ出し「万一のことがあっても、負担は1か月分だけなのでお願いします」と、拝み倒して何とか引き受けてもらっているのが実情だ。商売ベースでは労多くして見入りは少ないが、簡単に断ってしまえば、その人は途端にホームレスになってしまう。従って「商売抜きで探さざるを得ない」。
しかし、いつまでサポートできるかわからないと不安を隠さない。こうした境遇の人々が、確実に増えてきているのだ。「あと10年もすると、団塊世代の人々がそういう境遇に突入してくる」(前出A氏)
高齢化の波は確実に押し寄せている。
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