明日18日、いよいよ政権選択をかけた総選挙がスタートする。各党のマニフェストの内容については、報道や党のホームページなどで紹介され、違いが明らかになってきているが、問題は選ばれた政治家が公約を守るかどうかである。この短期間で立候補予定者の人格まで分かるはずはないと思われるだろうが、選挙区によってはそうとも言えない。
各候補者は、先月21日に衆院が解散されてから、夏の暑さや集中豪雨のなかでも懸命の動きを見せてきた。熾烈な前哨戦だったといえる。
しかし、公職選挙法(以下、公選法)違反であることを知っていながら、それをあざ笑うが如き運動を平然と行なっている立候補予定者たちも少なくない。例えば“たすき”の使用である。
先日、新人候補者のトレンドとして、「本人」と書かれた“たすき”を使用するケースが増えていることを報じた。公示前の段階で自身の名前を大書した“たすき”を使用することは、明らかな公選法違反になるからだ。「本人」という表記であれば違反とはならず、自らをアピールできることから全国で使用が広がった。
しかし福岡県内では、堂々と「自分の名前」を記した“たすき”を使用する不埒者が存在する(もちろん福岡県内だけではないようだが…)。しかも、それが与党・野党を問わず、というところに危うさを感じる。なぜならその方々は、公選法を知らない不見識な政治家か、知っていてあえて違反行為を犯す「確信犯」であり、いずれも立法府の一員たるには相応しからざる人物だからである。このような人物が公約を守るとは、到底思えない。自分が当選するためには手段を選ばないような人間には、政治家を目指す資格などないだろう。
選挙前の活動の様子は、政策うんぬんの前に、その立候補予定者がきちんとルールを守れる人物かどうかを見極める良い判断材料となる。ぜひ自選挙区の立候補予定者たちの、これまでの姿を確認しておいてもらいたい。
繰り返し言っておくが、“たすき”に「名前」は公選法違反者である。
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