金融庁は、09年検査事務年度検査基本方針を8月7日付で発表した。
その骨子は、金融機関に対して、(1)金融仲介機能の十全なる発揮(2)より強固で包括的なリスク管理の徹底(3)利用者目線に対応した適切な顧客対応を促すこと、を基本とする。
そのための検査運営については、従前にも増して、リスクに対する感応を高めながら、問題を先取りし、金融機関と進度ある双方向の議論を通じて課題を共有し、早期の改善に繋げていくことが必要である。このため、ベター・レギュレーションを恒久的な運営方針として位置づけ、その実践強化・進化に向けた取り組み(アクションプランII)を加速する。また、本基本方針は、09年8月時点の金融機関を取り巻く情勢等を踏まえて作成したものであり、今後必要に応じて随時見直すこととしている。
18日、衆議院選挙が公示され、「責任力」の自民党か、「政権交代」の民主党か、8月30日に国民の審判が下される。金融庁にとって自民党から民主党への政権交代となれば、従来のような金融機関サイドの対応から利用者目線の顧客対応に切り替えざる得なくなる。「今後、必要に応じて随時見直すこととする」という文言に、政権交代を見据えた金融庁の布石がうかがえる。
(つづく)
【北山 譲】
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