8月10日、野村プリンシパル・ファイナンス(野村PF、東京)が福岡市内で地場の主要企業(九州電力、JR九州、九電工など)と非公開の会合を開き、ハウステンボスの経営支援先の企業と交渉中であることなどを説明した。
当サイトでも「会社更生計画認定から6年余 混迷続けるハウステンボスの行方」と題して連載してきた。結局、野村PFは現段階でハウステンボスの経営再建に関しては前向きな策がまったく無いというのが現状と思われる。
ハウステンボスの損益分岐点は200億円前後とも聞かれ、実質的に累損を内包している可能性が高い。今のままでは、そのまま別の企業が事業承継するとは考えにくい。「打つべき手はいくらでもある」という関係者の声もあるが、野村PF側と現場の「尺度」は明確に違う。結局、「暗くて深い溝」は埋まることはないだろう。
今後考えられる方向性は2つ。1つは福岡七社会の支援による存続だ。逆に言えば、いくら地元長崎の経済界が頑張ろうとも、七社会の支援がなければ存続できない状況にまできていることは間違いないだろう。しかし、資金援助に関しては各社とも冷ややかな反応を見せており、実現性は低い。
となると、残された道は再度の法的手続=破産しかない。株式会社ハウステンボスをいったん破産手続し、野村PFがすべての責任をかぶる。そのうえで、「ハウステンボス」という名前を残すかどうかは別にして、まったく違う会社がまったく違うモデルを提示するしかないのではないか。
現在、水面下でさまざまな調整が行なわれていることは想像に難くないが、いずれにしろ、ハウステンボスにはオーナー企業の交代を含めた、ビジネスモデルの大きなパラダイム転換が求められている。
~つづく~