企業売却
1950年7月に創業された老舗タクシー業者である西日本自動車(株)は本社を含め福岡都市圏に3カ所の営業所を持つ。タクシーの保有台数は140台近く、小型タクシーを中核にジャンボタクシーや福祉車輌などニーズに合わせた車輌も併せ持つ。特に福祉関連では介護福祉士及びホームヘルパーなどの資格を持ったドライバーが行なうなど介護サービスに力を入れている。
西日本自動車(株)と言えば、過去に博多祇園山笠振興会会長を務め、地場の振興に力を注いだ同社の創業者である故井上吉衛門氏が思い浮かぶ。また、2代目代表社長となる故井上雅実氏も同振興会会長、福岡県議会議員を務めていたこともあり、地場振興に力を注いでいたことは周知の事実である。
長らく井上一族が同社を運営してきたものの会社を売却。2003年6月に新会社として設立され、05年4月に西日本タクシー(株)から現在の商号である西日本自動車(株)となった。新生西日本自動車(株)は、現在も福岡市那の津に本社を構える。現在の代表は井上善次氏が就任しているが、過去の経営者である井上一族とは血縁関係はない。
国政に打って出られるのか
企業調査の過程で、同社の元役員だった福岡県議会議員の井上貴博氏が、参院選に打って出るのではとの話が浮上してきた。井上一族は(有)福岡市自動車学校を保有しており、西日本自動車(株)とは関係会社としての繋がりはあると聞く。過去に花畑校を売却した経緯を持つが、福岡地区でも知名度は高い。
井上県議が「国政に!」との話が現実味を帯びれば、一説によると5億円近い金額がかかると言われている資金をどのように調達するのだろうか。井上県議にその旨を聞いたのだが、残念ながらコメントは頂けなかった。
本気で国会議員になるというのであれば「自動車学校の売却もあるのでは?」という噂は続くだろう。今までの経緯から見て、売却に次ぐ売却を行なっていたことは事実だから。
現在、激しい総選挙が展開されているが、国会議員となれば更なる強い基盤が求められるはず。井上県議はそれに耐えうる基盤を有しているのか?今後注目されるところである。
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