企業の資金繰りに大きな影響を与える検査重点事項で、金融庁は「円滑な金融仲介機能の発揮」と題して記述している。
(1)中小企業・個人(住宅ローン)等に対する円滑な金融仲介への対応
中小企業及び個人に対する円滑な金融は、金融機関の最も重要な役割の一つである。最近の厳しい経済・雇用情勢により、中小企業及び個人金融をめぐる環境は引き続き厳しい状況にある。こうした中、金融機関には、自らの責任と判断により適切かつ積極的にリスクテイクを行うとともに、それにふさわしい適切なリスク管理態勢を整備することを通じて、十全なる金融仲介機能を積極的に発揮していくことが強く
期待されている。
昨検査事務年度は、金融機関において、適切なリスク管理をベースとして、中小企業及び個人の実態を踏まえた円滑かつ積極的な金融仲介機能が発揮できる態勢が整備されているか、の検証を検査重点事項とし、本年4月~6月には、金融仲介機能が十分に発揮されているか、貸し渋り・貸し剥がしが行われていないかについて、中堅・大企業向け融資を含めて検証したところである。こうした点について、本事務年度においても、引き続き重点的に検証していく。
引き続き中堅・大企業向け融資を含めて「貸し渋り・貸し剥がし」を重点的に検証していくとの記述は、検査を通じて、特に中小企業に対する各金融機関の「貸し渋り・貸し剥がし」の激しさを浮き彫りにしている。
(つづく)
【北山 譲】
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