「安くて良いモノ」が求められる時代であるが、逆に言えば、真の技術に相応の対価が支払われない時代であるとも言える。
業歴70年を超すある装飾金物業者は、今でも「装飾金物といえば~」と言われるほどの高い技術力を有する会社である。一方で「~といえば(金額が)高い」とも言われていたが、それでもかつては技術力を評価され、相応の対価を得ていた。しかし、時代は大きく変わり、現在では技術力に見合う対価を得られなくなっている。当然、仕事を確保するためにかつてのような見積もりは出せないのだ。
業種によっては、高性能の機械設備による大量生産で、良いモノでも安くというのは可能かもしれない。しかし、いくら機械技術が発達しても職人の手作業が必要なモノづくりは存在する。技術力、職人は日本人にとって大きな財産だ。次期に政権を担う政党には、ダンピングの波に巻き込まれ失いつつある技術力、職人の価値を是非再考してもらいたい。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら